【第514号】登記申請書等の閲覧が認められるケースが明確化 書式も新たに

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週刊 法会労メールマガジン

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毎週金曜日発行

2023年4月7日

【第514号】

法律事務所等で働くみなさんこんにちは!
法会労メールマガジンです。

先般からご案内していますが、先日、第一法規株式会社さん主催の法律事務職員向けセミナーで画像編集と動画編集の講師をしました。

当日見逃した方・もう一度ご覧になりたい方、アーカイブ配信のサイトがオープン!した旨ご案内がありましたのでお知らせします。

【シリーズ第3弾】
ベテラン法律事務職員がアドバイス!
裁判所に提出する証拠を作成しよう
第一部:見てわかるワークショップ~画像編集編~ 
第二部:見てわかるワークショップ~動画編集編~
https://daiichihoki.satori.site/seminar/hoso/20230309_0323_archive/index.html

なんと言っても無料で見られますからね。しかも2本。どうぞご覧ください。

今年(2023年)9月30日(土)まで視聴可能とのことですが、まだ期間あるから後にしよー、なんてことをするといけません。

そのまま見ずに気づけば期限徒過なんてことになっちゃいますからね。

可能であれば、今、まさに今、視聴登録そしてお早めにご覧いただくことをオススメします(^O^)/

ちなみに、4月12日にはベテラン法律事務職員がアドバイス!【シリーズ第4弾】作例で学ぶExcelの使い方~電子納付の管理表を作ってみよう~のセミナーも予定されていますので、こちらも是非!ご参加ください☆

特設サイトはこちら↓
https://www.daiichihoki.co.jp/seminar/hoso/20230320/index.html


(編集長)



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【今週の掲載記事】
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■お役立ち過去記事紹介

■外回り情報
登記申請書等の閲覧が認められるケースが明確化 書式も新たに

■研修会等企画のご案内

■業務に役立つ書籍紹介

■事務員あるある

■外回り情報
東弁 弁護士会館5階に1人利用用のワークブースを1台設置

■法会労って?

■今週の雑学知識

■編集後記



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【お役立ち過去記事紹介】
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明治時代に本当にあった話 終身懲役刑に処せられた脱獄囚がなんと裁判官になっちゃった話をご紹介しています。

第411号・412号【お仕事息抜き話】
本当にあった脱獄囚があれになっちゃった話↓
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202102article_4.html#1

本当にあった脱獄囚から裁判官になった男の話 顛末は?↓
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202102article_4.html#1



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【外回り情報】
登記申請書等の閲覧が認められるケースが明確化 書式も新たに
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当メルマガのバックナンバーでは、不動産の登記手続がされた際の登記申請書やその添付書面(正確には「登記簿の付属書類」と言いますが、ここでは以下「申請書等」と言います。)を閲覧する方法を解説したり、実際に手続き・閲覧・その書面をカメラで撮影した体験記をご紹介したりしたことがありました。

バックナンバーはこちら↓
第83号【特集記事】不動産登記“申請書類”の閲覧
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/201407article_3.html#1

第398号【お仕事体験記】
登記申請書と添付書類の閲覧をしてみた
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202011article_3.html#1

法律事務所で働いているとそんなに頻繁に持ち込まれる事案でもないかとは思いますが、ときたまあるんですよね。自分の所有している不動産に勝手に抵当権がつけられてしまった・第三者に売られてしまったといった相談が。

そんなときにその不動産の管轄の法務局に行って、抵当権設定とか所有権移転といった登記手続きがされた際の申請書等を閲覧・コピーは取れないのでカメラで撮影するのです。

その閲覧手続きの根拠となる不動産登記法が改正され、今年(2023年)4月1日から施行されていますので、その内容をご紹介します。書式に追加があったりもしています。

もともと、この申請書等の閲覧は「請求人が利害関係を有する部分に限」って閲覧の請求ができるものでした(旧法第121条2項)。

あまり詳しい内容が規定されていませんでしたので、上記当メルマガバックナンバーの体験記でも、法務局窓口からは「閲覧する事情や理由を詳しく書いて欲しいと言われ」たり「事件になっている場合には,訴状等や訴訟委任状の写しを資料として提供して欲しい」と要請があったりと、どういった立場の者がどういった場合にどういった資料があれば閲覧可能なのか利用者側としては明確であったとは言えない状況でした。

それが今般の法改正で整理され、以下のような取り扱いとなりました。

まず、登記申請をした本人であれば、本人確認書類(運転免許証等)を提示することで閲覧することが可能です
登記申請をした本人の委任による代理人の場合には、本人確認書類(代理人のもの)の写しと委任状の原本もしくは写しの提出を要します。委任状は、「『訴訟に関する一切の件』といった一般的なものでは足りず、特定の附属書類の閲覧についての個別具体的な委任を内容とすることを要する。」とされています。

登記申請をした本人「以外」の場合には、正当な理由がある場合に、正当な理由があると認められる部分に限って閲覧が可能です。

この「正当な理由がある」と一般的に認められる場合としては、法務省民事局からの通達においていくつか例示されています。

・請求人が作成した書類の閲覧請求をする場合
・登記申請をした申請人の承諾がある場合
→この場合、承諾書を提出する必要があります。

一方で「正当な理由がある」と一般的な認められない場合の例示としては以下の通りです。

・他の法令等により交付等に係る手続が規定されている場合
→典型的には戸籍等謄本や住民票の写しです。別の手続きにて閲覧等が可能な書類を本手続きによって閲覧することは「正当な理由がある」とは認められないとしています。但し、戸籍や住民票の除票が保存期間の経過等により廃棄されているような場合には、例外的に「正当な理由がある」と認められる余地があるそうです。

これら典型的に「正当な理由がある」と認められるor認められないとされるケース以外については、以下のような類型が上記通達に例示されています。

■附属書類の真正性を確認するために当該附属書類の閲覧を請求する場合
→特定の附属書類の真正性が争点となる訴訟(その準備行為を含む。)のために閲覧が必要である場合には、「正当な理由がある」と認められる。としています。
この場合、正当な理由を証する書面として訴状(案)や訴訟資料、陳述書等、正当な理由を根拠づける書面の写しを「提出」する必要があります。

■相続人が相続に関する登記簿の附属書類(遺産分割協議書や遺言書など)の閲覧を請求する場合
→具体的な紛争が生じていなくとも「正当な理由がある」 と認められる。としています。
この場合、正当な理由を証する書面としては、戸籍等謄本といった相続人であることを証明する書面を、この場合「提示」で足ります。

■隣地の所有権の登記名義人等が附属書類の閲覧を請求する場合
→筆界確認の経緯等 を確認するために閲覧するような場合には具体的な紛争が生じていなくとも「正当な理由がある」と認められます。

■上記以外に関する民事上の紛争に係る訴訟(その準備行為を含む。)のために附属書類の閲覧を請求する場合 →訴状(案)や訴訟資料、陳述書等の提示が求められ審査されます。審査の結果、必要性が認められる範囲に限り閲覧する「正当な理由がある」と認められる。とされています。

■不動産の取得希望者が当該不動産の従前の取引経過等を確認するために附属書類の閲覧を請求する場合
→この目的のみでは、「正当な理由がある」とは認められない。としています。
但し、登記申請をした本人からの承諾があれば閲覧可能とのことです。

■これら以外について
→以上の類型を参考に個別具体的に事案に応じて判断するとのことです。

この法改正・事務取扱の整理により、新たに閲覧申請書の書式が用意されました。
以下のURLからダウンロード頂く方法にて配布します。
図面以外の登記簿の付属書類閲覧請求書
https://houkairou-mail-magazine.com/haifu/toukihuzokusyoruieturansinseisyo.pdf


(編集長)



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【バックナンバー】
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【第511号】
■LINEで自分の住民票の写しを取ってみた/
■裁判所でも新型コロナ感染症対策としてのマスク着用は個人の判断に
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/498711091.html

【第512号】
■遺言検索で公正証書遺言が見つかった場合の謄本請求を郵便で手続きしてみた その1 まずは遺言検索やってみた/
■登記・供託オンライン申請システムでパスワードの有効期限が廃止に
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/498815935.html

【第513号】
■遺言検索で公正証書遺言が見つかった場合の謄本請求を郵便で手続きしてみた その2 郵送での謄本請求で必要な書類/
■mints機能がいくつか追加 第三者によるファイルアップロード機能等
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/498912812.html


これまで配信してきました全てのバックナンバーは以下からご覧いただけます!
週刊!法会労メールマガジン バックナンバーブログ
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/



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【研修会等企画のご案内】
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■■■ ベテラン法律事務職員がアドバイス! ■■■
【シリーズ第4弾】作例で学ぶExcelの使い方
~電子納付の管理表を作ってみよう~

「ベテラン法律事務職員がアドバイス」シリーズの第1弾にてExcelのワークショップを開催したところ、「もっとExcelのワンポイントスキルを知りたい」「法律事務所特有の業務に直結することを紹介してほしい」といったご要望を多くいただきました。
そこで、裁判等で必要となる「予納金」に着目し、「電子納付の管理」をテーマにセミナーを開催することになりました。
講師は第1弾と同じく、事務職員として長くキャリアを積まれてきた伊藤次彦氏です。実際に管理表を作成しながら、業務を効率化するスキルを身に付けましょう!

第一法規株式会社主催
日 時 2023年4月12日(水)18:30~19:10
受講料 無料

特設サイトはこちら↓
https://www.daiichihoki.co.jp/seminar/hoso/20230320/index.html

参加のお申し込みはこちら↓
https://www.daiichihoki.co.jp/seminar/hoso/20230320/index.html#header16-7u



■■■ 日弁連・事務職員能力認定制度のご案内 ■■■ 

日弁連・事務職員能力認定制度のご案内です。
この制度は、法律事務員の社会的地位向上を求めて、
全国統一研修を実現させるため取り組まれた、全国の事務員の署名活動が
日弁連を動かして2008年にスタートした事務員のための制度です。
現在は、研修と試験が分離されて、より利用しやすくなっています。

★認定研修は、今年からeラーニングで受講が可能になりました。
また、過去の研修がライブラリ化されています。
これによりPCで、無料で、いつでも、何回でもスキルアップにつながる研修を受けることが出来ます。
是非、受講申込みを!

詳細は日弁連ホームページの法律事務職員のページをご参照ください↓
https://www.nichibenren.or.jp/staff.html



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【業務に役立つ書籍紹介】
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■法律事務職員のための実務情報誌「法律事務」

第47号「交通事故の実務」
~自賠責保険請求から損害額計算書ができるまで~

法律事務所には交通事故の加害者、被害者それぞれから様々な相談が寄せられます。
資料の取り寄せから損害額の算定まで、実務の流れをまとめました。注意すべきポイントもしっかりおさえた一冊になっています。
2020年8月発行
頒価1,200円(税込・送料別)
ご購入申込み及び詳細は以下の「法律事務」のページをご参照ください。
https://houzenren.com/houritujimu.html#47gou



■「法律事務職員【基本】研修テキスト」

「法律事務職員基本研修テキスト」(上)(下)は、「日弁連法律事務職員能力認定制度研修」の参考図書として2014年に刊行され、多くの法律事務職員・弁護士の皆様にご活用いただいてきました。この度大幅な改訂を行い、第2版を発行いたしましたのでご案内申し上げます。

この間の実務の変更点や法改正(改正相続法、改正民事執行法)に対応し、実務的な変更事項や新たな制度を詳しく解説しています。

(上巻)
第1編 民事訴訟と事務職員の役割
第2編 民事執行総論・債権執行
第3編 民事保全・担保取消手続
第4編 債務整理・破産・個人再生
(下巻)
第5編 戸籍並びに登記簿の仕組みと見方
第6編 家事事件・人事訴訟
第7編 相続
第8編 刑事事件・少年事件
事務職員倫理

各2,750円(税込み)→(割引)各2,500円(税込み)
詳細と購入方法は以下URLからチラシをご確認ください(PDF文書)。
【メルマガ読者限定割引チラシ】
https://houkairou-mail-magazine.com/chirashi/jalapsyosekizenkan_merumagayou.pdf

なお、他の書籍につきましても価格や送料の変更がありますので、上記チラシの申込み書をご利用下さい。



■応用研修テキスト
応用1 訴訟以外の民事手続,裁判外手続
応用2 不動産競売,その他の民事執行
応用3 自己破産手続,個人再生手続
応用4 破産管財
応用5 成年後見
応用6 登記,供託,担保取消
応用7 民事訴訟の構造,弁護士倫理と事務職員倫理

実務に直結した普段の業務にも役立つ情報満載となっていてオススメです!
日弁連事務職員能力認定研修の【応用】研修のテキストとなっています。
発行者のご厚意でメルマガ読者割引をして頂いています!

【メルマガ読者限定割引チラシ】
https://houkairou-mail-magazine.com/chirashi/jalapsyosekizenkan_merumagayou.pdf


■シリーズ 法律事務所職員のための
「家事事件申立ての実務」」
「法律事務職員のための訴額・管轄事例集」
メルマガ読者限定!割引あり!
各1,760円(税込み)→(割引)各1,600円(税込み)
詳細と購入方法は以下URLからチラシをご確認ください(PDF文書)。
【メルマガ読者限定割引チラシ】
https://houkairou-mail-magazine.com/chirashi/jalapsyosekizenkan_merumagayou.pdf



■今日から弁護士秘書~事務職員新人独習テキスト
法律事務員さんの日常業務のキホンのキをコンパクトな分量で解説しています。書籍版は200円で販売していますが,PDF版はなんと!無料で配布しています。
法律事務所用語集では「J庁」「赤い本・青い本」「Z折り」など初心者には「なんのこっちゃ?」な用語が集められています。
https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/publication/book/secretary.html



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【事務員あるある】
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申立書や添付書類の準備万端、が、依頼者から委任状をもらい忘れていることに気づく



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【外回り情報】
東弁 弁護士会館5階に1人利用用のワークブースを1台設置
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弁護士会館の東弁が入っているフロアである5階。
会議室がずらりとたくさん並んでいるゾーンです。
東弁会員の先生の事務所の方等、研修会で利用したことがあるかも知れません。

その5階の裁判所側、504号室や503号室がある付近には、従前は自販機コーナーがあったのですが、今般、そのスペースにワークブースが設置され今年(2023年)4月1日から利用開始となりましたのでお知らせします。

自販機を一回り大きくしたくらいの形状のブースで、1.5平米の遮蔽空間となる部屋ですので、会務の間のウェブ期日等での利用に最適でしょうか。

東弁会員の弁護士向けとされていますが、予約は誰でもできて利用者の制限も予約サイトにおいては特にアナウンスがありません。

利用料は1単位15分で250円です。支払いはウェブでの予約時にクレジットカード決済でします。

東弁会員には一定期間利用料が無料になったり減額になるクーポンを配布するようです。

事務所の先生からの指示で予約することがあるかも知れませんね。
予約するには登録が必要です。以下のサイトを覗いてみると良いでしょう。

東京弁護士会 ワークブース予約
https://reserve.smasso.jp/toben


(編集長)



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【法会労って?】
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法会労(正式名称:法律会計特許一般労働組合)は,法律事務所など士業の事務所で働く事務員・秘書などでつくられている労働組合です。

法律事務所等で働く方であればどなたでも,ひとりでも入れる労組(ユニオン)です!


法会労の詳細はホームページをご覧ください。労働相談も随時受け付けております!
法会労ホームページ
http://www5a.biglobe.ne.jp/~houkairo/
オンライン相談申込フォームもあります↓
http://form1.fc2.com/form/?id=801887

法会労の紹介パンフレットはこちら↓
https://houkairou-mail-magazine.com/chirashi/panfuhoukairou.pdf
組合員の女性が集う女性部のブログもあります↓
https://houkairou-joseibu.at.webry.info/
組合員の若手が集う青年部公式LINEあります。友だち追加しちゃおう!↓
https://lin.ee/Nf6i6Xt



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【ご意見・ご感想・ご質問は…編集部へ!】
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このメールマガジンへのご質問などは,以下のいずれかの方法で編集長に直接届きます。


■届いたメールマガジンに「返信」する
■編集部のメールアドレス:
houkairoumerumaga@gmail.com
にメールする

編集長のみが見て,お返事もしていますので,どうぞお気軽にご連絡ください!

今回の記事はいかがでしたか?
ご意見頂ければ幸いです!

メルマガに関すること以外の法会労についてなどもお気軽にお問い合わせ下さい!

ご連絡お待ちしています!



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【今週の雑学知識】
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私たちの心臓は1日10万回程拍動している



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【編集後記】
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さて、唐突ですが、第1審の地裁で全部勝訴した原告が控訴することってできるでしょうか?
何で?何のために?と普通はなりますね。

おそらく控訴を受けた高裁でも、通常は控訴の利益を認めることができないとして不適法却下という扱いをすることでしょう。

しかし、先日、2023年3月24日の裁判として裁判所のホームページに載った判例で最高裁は「全部勝訴した原告であっても、第1審判決に対して控訴をすることができると解するのが相当である。」との判断をしました。

これだけ聞くと奇異に映るかも知れませんが、種を明かせば、以下のような事案でした。

第1審ではこの事件はある一人の裁判官により審理されました。

被告は書面提出も出頭もしませんでした。いわゆる欠席裁判。

よって、第1回の口頭弁論期日で終結し、判決言渡し期日が別途指定されました。

判決言渡し期日では、被告欠席裁判ということで判決書の原本に基づかずに判決が言い渡され(民訴法第254条1項1号)ました。

しかし、問題は、判決言渡し期日で判決を言い渡した裁判官が、口頭弁論期日に関与していない別の裁判官だったということです。

民訴法では「判決は、その基本となる口頭弁論に関与した裁判官がする」(第249号1項)としています。直接主義と呼ばれています。

今回の判決は正にこれに違反するものでしたが、控訴を受けた高裁は「判決手続の違法があるものの、上告人の請求は全部認容されているから、控訴の利益を認めることができない」として本件控訴は不適法であるとして却下しました。

ですが、上告審、最高裁は「同判決には民事訴訟の根幹に関わる重大な違法があるというべきである。」「再審事由に該当するものであるから」「第1審判決によって紛争が最終的に解決されるということもできない。」として、「全部勝訴した原告であっても、第1審判決に対して控訴をすることができると解するのが相当である。」との判断したものでした。
こんなこともあるものなんですね。

せっかく全面的勝訴判決だったのにね、地裁裁判官に対する想いで涙も流れることでしょう。
君への想い 涙そうそう~(勝訴~)
ということで、今後、高裁での差戻し審がBEGINするようです。

ちなみに、最高裁判決をお読みになりたい方は以下からどうぞ↓
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91938

本号も最後までお読みいただきありがとうございますm(_ _)m


(編集長)



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週刊 法律会計特許一般労働組合メールマガジン 編集部

お問い合わせ・配信停止などのご連絡は
〒101-0044
東京都千代田区鍛冶町2-9-1
電話 03-3255-9280
メール houkairoumerumaga@gmail.com
ホームページhttp://www5a.biglobe.ne.jp/~houkairo/
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