【第432号】裁判所の判決等はほとんど世に出てこない!? それが一変するかも 民事判決情報のオープンデータ化に向けた取りまとめ文書が公開

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週刊 法会労メールマガジン

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毎週金曜日発行

2021年7月23日

【第432号】

法律事務所等で働くみなさんこんにちは!
法会労メールマガジンです。

本日は,東京オリンピックが開催される今年だけ4連休のド真ん中に配信しております。連休明けもオリンピック期間中なので,都心への出勤がどうなるやらと思わなくもないですが,まぁ無観客なのでさほど影響はないかも知れませんね。

さて,先日は,当メルマガで日弁連の事務職員研修がeラーニング化されて,いつでもどこでも無料で受講できるようになったことをお知らせしました。

バックナンバーはこちら↓
第429号【お仕事お役立ち情報】
日弁連の事務職員能力認定制度における研修会がeラーニング化!申し込みすれば「いつでも,どこでも,何度でも」無料で受けられる研修に!
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202107article_2.html#2

是非とも登録の上ご視聴いただくと良いものと思いますが,私の職場がある地域でも自主研修会も企画しています。

他の地域や団体でテーマが重複しないように予告しますが,改正民事執行法における財産開示手続きと第三者からの情報取得手続きについての研修会を秋(10月・11月くらいか?)に企画しています。実務をバリバリこなしている事務員さんに講師をお引き受けいただいています。

Zoom併用で開催します。詳しい日程は調整中です。
具体化しましたら当メルマガで再度お知らせしますので,是非,ご参加ご検討ください(^0^)/


(編集長)



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【今週の掲載記事】
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■お役立ち過去記事紹介

■お仕事ミニ情報
裁判所の判決等はほとんど世に出てこない!? それが一変するかも 民事判決情報のオープンデータ化に向けた取りまとめ文書が公開

■研修会等企画のご案内

■業務に役立つ書籍紹介

■事務員あるある

■お仕事ミニ情報
不動産会社はどうやって相続したことを把握している?その仕組みが紹介されています

■法会労って?

■今週の雑学知識

■編集後記



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【お役立ち過去記事紹介】
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管財事件のお仕事体験記で配当事案を扱った経験談をご紹介しています。

第237号【私のお仕事紹介】
10年ぶりの管財事件体験記2 配当事案がキター!! パート1
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/201708article_3.html
第238号【私のお仕事紹介】
10年ぶりの管財事件体験記2 配当事案がキター!! パート2
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/201708article_4.html



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【お仕事ミニ情報】
裁判所の判決等はほとんど世に出てこない!? それが一変するかも 民事判決情報のオープンデータ化に向けた取りまとめ文書が公開
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判例は,日本においては法源(裁判官が裁判を行う際に基準となるもの)ではないとされています。

また,日本においては,先に出された判例が,後に出される判例を拘束するような法的拘束力が何かしらの法律の明文で規定されているものでもありません。

とは言え,法的安定性(法秩序が明確で安定して適用され,どのような行為にどのような法的効果が結び付くか予見可能な状態)の観点から,同様の事案であれば,裁判所がする先の判断と後の判断が全く異なるといったことはありません。

ですので,先生方は,同様の事案ではどのような判断を裁判所がし得るのか判例を調べますし,法令で細かく規定されていない解釈に関する司法判断を確認するためにも,その他諸々で判例を調べる機会が多くあることでしょう。

みなさんの事務所でも判例時報や判例タイムズ他各種の判例雑誌を購入したり,判例検索サービスを契約したりしているのではないかと思います。

で,日本では,日々なされる裁判所の判断,判決等のうち,判例として世に出てくるものはどれくらいあるでしょうか?ご存知でしょうか?

日本経済新聞2020年6月7日の記事によれば,成城大学の町村泰貴教授の調査では以下のとおりでした。

2017年に最高裁・高裁・地裁・簡裁が処理済みとした民事・行政事件の件数は,54万5671件ありました。

そのうち裁判所のウェブサイトで公開された判決の数は462件(公開率0.08%),判例検索サービスであるウエストロー・ジャパンに掲載された判決の数でも6183件(同1.1%)にしか過ぎないそうです。

ちょっと古いですが,12年程前に日弁連の業革委員会が調査した結果も公開率は0.1%程度と予測していましたので,現在においても,判決の公開率に大きな向上はみられないことでしょう。

確かに,裁判所の処理済み件数には,判決ばかりでなく決定や命令も含み,判決と言っても,欠席裁判による調書判決といった先例的価値があまりないと思われるものも少なからずあります。

とは言え,世界各国の中には,最高裁レベルの判決は100%,つまりは全件公開している国もあると言います↓
日本は法治国家か ―判例公開率0.9%の衝撃―
https://www.senkensoi.net/v2/column/2010/07/2774

上記町村教授調査によれば,日本での最高裁の処理済み件数は,5112件,うち裁判所ホームページでの掲載件数は53件(公開率1.04%),ウエストローが179件(3.5%)に過ぎません。

現状では,裁判所がした判断のごく一部しか国民は容易にアクセスできないような状況となっています。法的予見可能性の観点からもよろしくないとも言われています。

それが,民事裁判手続きIT化の議論の進展に伴い,民事判決情報の活用拡充のニーズ・活用可能性が高まっているとして,昨年(2020年)3月,日弁連法務研究財団が中心となり,大学の研究者や判例雑誌社・判例データベース会社・内閣官房・法務省・最高裁判所事務総局といった関係省庁が参画して民事判決のオープンデータ化検討PTが立ち上げられ,状況が一変しそうな流れとなっています。

PTでは,今年(2021年)3月までに9回の会議が開催され,課題はありつつも,今後も力強く民事判決情報のデータベース化を進めるとする取りまとめがなされ,その文書が公開されています。

取りまとめ文書によれば,今後は,各裁判所がした判決等のデータを集約する情報管理機関を新設し,データ処理をした後に,研究者や法曹・民間企業が利活用できるような仕組みを作っていく方向性が示されています。

この仕組みが具体化すれば,今までよりも圧倒的に多くの判決等が世に出てくることになるでしょう。

但し,民事判決情報の利活用と言っても,データをそのまま世に出すわけには行きません。訴訟当事者個人や企業の名前を伏せたり(仮名処理),判決文に載っている個人情報や営業秘密をどうするのかといった課題もたくさんあります。

といったところで,長くなりましたので,続きは次回,今回公開された取りまとめ文書のうち,民事判決のオープンデータ化を実現するための課題とその解決の方向性についてご紹介したいと思います。


(編集長)



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【バックナンバー】
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【第429号】
■裁判手続きのIT化情報 フェーズ3の先行実施!来年(2022年)2月から準備書面等をオンライン提出が一部地裁で可能になる見込み!/
■日弁連の事務職員能力認定制度における研修会がeラーニング化!申し込みすれば「いつでも,どこでも,何度でも」無料で受けられる研修に!
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202107article_2.html

【第430号】
■事務員日常小話『職人技』/
■裁判手続きのIT化情報 地裁支部でもフェーズ1 電話会議の運用が開始されます
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202107article_3.html

【第431号】
■一定の場合に生命保険会社「全社」に契約の有無の照会をできる制度 対象範囲が拡大/
■法務省による公式法令データの整備がはじまる見込み
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202107article_4.html


これまで配信してきました全てのバックナンバーは以下からご覧いただけます!
週刊!法会労メールマガジン バックナンバーブログ
https://houkairou-merumaga.at.webry.info/



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【業務に役立つ書籍紹介】
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■法律事務職員のための実務情報誌「法律事務」

第47号「交通事故の実務」
~自賠責保険請求から損害額計算書ができるまで~

法律事務所には交通事故の加害者、被害者それぞれから様々な相談が寄せられます。
資料の取り寄せから損害額の算定まで、実務の流れをまとめました。注意すべきポイントもしっかりおさえた一冊になっています。
2020年8月発行
頒価1,200円(税込・送料別)
ご購入申込み及び詳細は以下の「法律事務」のページをご参照ください。
https://houzenren.com/houritujimu.html#47gou



■「法律事務職員【基本】研修テキスト」

「法律事務職員基本研修テキスト」(上)(下)は、「日弁連法律事務職員能力認定制度研修」の参考図書として2014年に刊行され、多くの法律事務職員・弁護士の皆様にご活用いただいてきました。この度大幅な改訂を行い、第2版を発行いたしましたのでご案内申し上げます。

この間の実務の変更点や法改正、特に2019年7月から一部を残してほぼ全面的に施行された改正相続法、2020年春には施行が予定される改正民事執行法に対応し、実務的な変更事項や新たな制度を詳しく解説しています。

(上巻)
第1編 民事訴訟と事務職員の役割
第2編 民事執行総論・債権執行
第3編 民事保全・担保取消手続
第4編 債務整理・破産・個人再生
(下巻)
第5編 戸籍並びに登記簿の仕組みと見方
第6編 家事事件・人事訴訟
第7編 相続
第8編 刑事事件・少年事件
事務職員倫理

各2,500円+税→(割引)各2,250円+税
詳細と購入方法は以下URLからチラシをご確認ください(PDF文書)。
【メルマガ読者限定割引チラシ】
https://houkairou-mail-magazine.com/chirashi/jalapsyosekizenkan_merumagayou.pdf

なお、他の書籍につきましても価格や送料の変更がありますので、上記チラシの申込み書をご利用下さい。



■応用研修テキスト
応用1 訴訟以外の民事手続,裁判外手続
応用2 不動産競売,その他の民事執行
応用3 自己破産手続,個人再生手続
応用4 破産管財
応用5 成年後見
応用6 登記,供託,担保取消
応用7 民事訴訟の構造,弁護士倫理と事務職員倫理

実務に直結した普段の業務にも役立つ情報満載となっていてオススメです!
日弁連事務職員能力認定研修の【応用】研修のテキストとなっています。
発行者のご厚意でメルマガ読者割引をして頂いています!

【メルマガ読者限定割引チラシ】
https://houkairou-mail-magazine.com/chirashi/jalapsyosekizenkan_merumagayou.pdf


■シリーズ 法律事務所職員のための
「家事事件申立ての実務」」
「法律事務職員のための訴額・管轄事例集」
メルマガ読者限定!割引あり!
各1,600円+税→(割引)各1,500円(税込)
詳細と購入方法は以下URLからチラシをご確認ください(PDF文書)。
【メルマガ読者限定割引チラシ】
https://houkairou-mail-magazine.com/chirashi/jalapsyosekizenkan_merumagayou.pdf



■今日から弁護士秘書~事務職員新人独習テキスト
法律事務員さんの日常業務のキホンのキをコンパクトな分量で解説しています。書籍版は200円で販売していますが,PDF版はなんと!無料で配布しています。
法律事務所用語集では「J庁」「赤い本・青い本」「Z折り」など初心者には「なんのこっちゃ?」な用語が集められています。
https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/publication/book/secretary.html



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【事務員あるある】
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電子内容証明郵便を出す際の最後の1クリックが緊張する



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【お仕事ミニ情報】
不動産会社はどうやって相続したことを把握している?その仕組みが紹介されています
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ソースは京都新聞の記事ですが「土地を相続した途端、不動産会社から大量DM なぜ把握される、個人情報では」というニュースが公開されています。

この記事では,なぜ不動産業者が不動産を相続したことが分かるのか?その仕組みが解説されています。

法律事務所にお勤めの皆さんであればなんとなく不動産登記記録を見てるんじゃね?と予想できそうですが,どうやって不動産会社は相続したそのタイミングが分かるのか?不思議だったりしませんか?

どうやら不動産業者は,法務局が備えている帳簿「受付帳」を情報公開法による開示請求で取得しているようなんですね。

登記所は,受付帳を備えることとなっており(不動産登記規則第18条1号),「登記官は、申請情報が提供されたときは、受付帳に登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに不動産所在事項を記録しなければならない。」とされています(同56条1項)。

この受付帳は,情報公開法では行政文書にあたり,「特定秘密などに該当しない限り、開示請求があった際の公開を義務づけている」とのことでした。

このようにして不動産会社は相続したことのみならず,どのような登記申請が特定の法務局でされているのか一覧を把握しているようです。

受付帳,私たちも仕事で使うことがあるかも?
気になる方はネタ元の以下の記事をご参照ください。

まいどなニュース(2021.07.18)
「土地を相続した途端、不動産会社から大量DM なぜ把握される、個人情報では」↓
https://maidonanews.jp/article/14396600


(編集長)



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【法会労って?】
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法会労(正式名称:法律会計特許一般労働組合)は,法律事務所など士業の事務所で働く事務員・秘書などでつくられている労働組合です。

法律事務所等で働く方であればどなたでも,ひとりでも入れる労組(ユニオン)です!


法会労の詳細はホームページをご覧ください。労働相談も随時受け付けております!
法会労ホームページ
http://www5a.biglobe.ne.jp/~houkairo/
オンライン相談申込フォームもあります↓
http://form1.fc2.com/form/?id=801887

法会労の紹介パンフレットはこちら↓
https://houkairou-mail-magazine.com/chirashi/panfuhoukairou.pdf
組合員の女性が集う女性部のブログもあります↓
https://houkairou-joseibu.at.webry.info/
組合員の若手が集う青年部のブログもあります↓
https://ameblo.jp/seinenbu-hkr/



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【ご意見・ご感想・ご質問は…編集部へ!】
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このメールマガジンへのご質問などは,以下のいずれかの方法で編集長に直接届きます。


■届いたメールマガジンに「返信」する
■編集部のメールアドレス:
houkairoumerumaga@gmail.com
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編集長のみが見て,お返事もしていますので,どうぞお気軽にご連絡ください!

今回の記事はいかがでしたか?
ご意見頂ければ幸いです!

メルマガに関すること以外の法会労についてなどもお気軽にお問い合わせ下さい!

ご連絡お待ちしています!



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【今週の雑学知識】
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海の日は「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」日

(国民の祝日に関する法律第2条)



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【編集後記】
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先日,弁護士会主催の研修会の講師をしました。Zoomウェビナーで会場には弁護士会の職員さんと撮影スタッフの計2名。そこで約2時間半,延々と,見ようによっては独り言を発し続けました。

こちら側からは受講者の顔は一切見えず,参加者が90人くらいいるのが分かるのみ。
パソコンの画面に向かって話をするのですが,孤独ですよね。面白いこと言っても反応が分かりません。単にスベっただけという説も検証できません。

いっそパワーポイントの説明画像に笑い声の音声を入れちゃおうと思ったりもしましたが,スベっていたら恥の上塗りなのでリスクに鑑みやめました。

ちょっとした失敗もしました。画面共有していたパワポの映像が,実はちっちゃい画面(講師用画面)になっていたことに気づかずにいたりして,まだまだ精進が足りないようです。

この間,何度かZoomを使った研修会講師をしたことで,ひとつ学んだことがありました。
それは,無線で頑張っても詮無い,ということです。
「詮無い」と「線無い」かけてます。猛暑の折柄,微妙な寒さをお届けできましたでしょうか?

冗談はさておき,私個人としては無線大好き,とにかく線がごちゃごちゃするのが許せないのです。
しかしながら,こと安定性に関しては,線が有ったほうが安心と学びました。

無線LANや無線のヘッドセットは,何かの拍子に原因分からず途切れたりしちゃうんですよね。

無線好きなんて私の趣味より,講義の安定性を優先(有線)で。ってことですね。

本号も最後までお読みいただきありがとうございますm(_ _)m


(編集長)



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週刊 法律会計特許一般労働組合メールマガジン 編集部

お問い合わせ・配信停止などのご連絡は
〒101-0044
東京都千代田区鍛冶町2-9-1
電話 03-3255-9280
メール houkairoumerumaga@gmail.com
ホームページhttp://www5a.biglobe.ne.jp/~houkairo/
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