週刊 法会労メールマガジン
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毎週金曜日発行
2020年6月19日
【第378号】
法律事務所等で働くみなさんこんにちは!
法会労メールマガジンです。
民事裁判手続きのIT化については,このメルマガでもたびたびご紹介してきました。
民事裁判のIT化?ナニソレ?という方は以下のバックナンバーあたりをご覧ください☆
【裁判手続きのIT化情報】
民事裁判手続等IT化研究会報告書が公表!
概要その1 オンライン申立て原則義務化を目指す!
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202001article_4.html#1
概要その2 訴訟記録は全面電子化!
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202001article_5.html#1
概要その3 登記事項証明書等の添付は不要に!?バックオフィス連携
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202002article_1.html#1
概要その4 システム送達
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202002article_2.html#1
概要その5 裁判期日はe法廷に
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202002article_3.html#1
概要その6 各種手数料は全面電子納付に
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202003article_1.html#1
で,現在は,現行法でも導入できるIT化を実施する段階(フェーズ1)として,裁判所で弁論準備手続期日等をWEB会議で実施する運用がなされていますが,今後は法改正により更なるIT化が進行していく予定です。
法制審には今年(2020年)2月21日に諮問がなされ,4月から本格的な議論が開始する予定でしたが,昨今のコロナ禍により延期されて,やっと本日(6/19),法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会第1回会議が開催される予定となっています。
上記概要その2でも書きましたが,書類のコピーが!外回りが!謄写が!なくなる!?といた私たちの仕事に大きな変化があるかも知れませんので,要注目ですね。
(編集長)
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【今週の掲載記事】
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■お役立ち過去記事紹介
■外回り情報
刑事事件 東京謄写センターでの記録謄写が郵送・FAXでの申請が可能に 書式も変わりました要注意
■業務に役立つ書籍紹介
■事務員あるある
■裁判手続きのIT化情報
労働審判手続でWEB会議の運用開始
■法会労って?
■今週の雑学知識
■編集後記
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【お役立ち過去記事紹介】
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郵送申請で供託金の取戻しと代理人口座への振込手続を実際にした例を紹介しています。
第171号【手続やってみたシリーズ】
郵送申請で供託金の取戻し・代理人口座への振込
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/201604article_4.html#1
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【外回り情報】
刑事事件 東京謄写センターでの記録謄写が郵送・FAXでの申請が可能に 書式も変わりました要注意
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先般,新型コロナの関係で緊急事態宣言が出され,現時点では宣言が解除されていますが,感染拡大防止の観点から,裁判所等への外回りは極力控えて,郵送での提出等をしている事務所が多いのではないかと思います。
しかしながら,従来は郵送やFAXでは対応してくれないところの一つとして,東京謄写センターがありました。
東京地検が保管している刑事事件の事件記録の謄写は,東京地検が入っている建物にある東京謄写センターに申請に行っていますね。
刑事事件の確定記録に関しては郵送での閲覧申請は可能ではあったものの,公判係属中の開示証拠の記録謄写については,まさに「行って」しか申請できず,これまでは郵送やFAXで申請書を送って申請をするということができませんでした。
それが今般,2020年6月8日から,確定記録及び公判継続中の開示証拠の記録謄写について,窓口へ行って申請するほか,郵送とFAXでの申請を受け付ける運用となりましたのでお知らせします。
窓口での申請に関しても,新書式となっていますので注意が必要です。
書式は,弁護士会の会員サイトに掲載(東弁は掲載を確認済み)されているかと思いますので,先生とご相談の上,入手されると良いものと思います。
で,今回のこの措置に関しては,明確に因果関係を示す資料はないのですが,おそらく弁護士有志が検察庁に申入れをしたことを契機として実施されることとなったものと思われます。2020年4月22日付で検察庁に,申入れをしているとのこと。
申入書の内容をこの有志の先生がブログで公開していますのでご紹介します↓
刑事裁判を考える:高野隆@ブログ
http://blog.livedoor.jp/plltakano/archives/65958135.html
この申入書の内容を簡単にご紹介すれば,新型コロナの関係で緊急事態宣言が出ている中,職員や関係者のウイルス感染を防ぎその生命と健康を守るために,(1)電話や郵送,FAXやEメールでの受け付けすること(2)謄写費用の支払いを銀行振込みや電子納付とすること(3)謄写記録を郵送で交付すること(4)紙媒体だけでなく電子データでの謄写を可能とすることを求めています。
確かに事務員の立場としても大事な内容だと思いますが,今般,可能となったのは,上記申入れのうち(1)だけ。しかも,電話やEメールでの受付は今回対象とはなりませんでした。
また,謄写申請は郵送やFAX等,現地に行かず申請できるものの,謄写記録の受取りは現地に行かなくてはなりません。
まぁ検察庁の建物に行くのは1回で済むようになりましたが,どうしても1度は現地に行かなくてはなりません。何か中途半端な印象を受けるのは私だけではないでしょう。
今後,この申入れを受けて,新たな対応がなされる可能性はありますので,変更があればまた随時お知らせするようにしますね。
(編集長)
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【バックナンバー】
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【第375号】
■便利文具紹介 電動穴あけパンチ/
■新型コロナ関係 緊急事態宣言解除後の裁判所は?
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202006article_1.html
【第376号】
■有名判例つまみ食いシリーズ 信玄公旗掛松事件/
■新型コロナ関係 弁護士会館への入館一部解除・東弁二弁合同図書館は6月1日から開館
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202006article_2.html
【第377号】
■法令改正情報 本年4月1日から改正民法が施行 訴状のチェック時に注意しましょう/
■職務上請求用紙関係 手書き派も気づいた書式の変化
https://houkairoumerumaga.seesaa.net/article/202006article_3.html
374号以前も含め全てのバックナンバーは以下からご覧いただけます。
週刊!法会労メールマガジン バックナンバーブログ
https://houkairou-merumaga.at.webry.info/
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【業務に役立つ書籍紹介】
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■「法律事務職員【基本】研修テキスト」
「法律事務職員基本研修テキスト」(上)(下)は、「日弁連法律事務職員能力認定制度研修」の参考図書として2014年に刊行され、多くの法律事務職員・弁護士の皆様にご活用いただいてきました。この度大幅な改訂を行い、第2版を発行いたしましたのでご案内申し上げます。
この間の実務の変更点や法改正、特に2019年7月から一部を残してほぼ全面的に施行された改正相続法、2020年春には施行が予定される改正民事執行法に対応し、実務的な変更事項や新たな制度を詳しく解説しています。
(上巻)
第1編 民事訴訟と事務職員の役割
第2編 民事執行総論・債権執行
第3編 民事保全・担保取消手続
第4編 債務整理・破産・個人再生
(下巻)
第5編 戸籍並びに登記簿の仕組みと見方
第6編 家事事件・人事訴訟
第7編 相続
第8編 刑事事件・少年事件
事務職員倫理
各2,500円+税→(割引)各2,250円+税
詳細と購入方法は以下URLからチラシをご確認ください(PDF文書)。
【メルマガ読者限定割引チラシ】
https://houkairou-mail-magazine.com/chirashi/jalapsyosekizenkan_merumagayou.pdf
なお、他の書籍につきましても価格や送料の変更がありますので、上記チラシの申込み書をご利用下さい。
■法律事務職員のための実務情報誌「法律事務」
「相続実務」
~事務職員が関わる いろいろな相続手続き~
相続とはなんぞや?ということから、預貯金等の金融資産や不動産をはじめとする様々な財産の換価や名義変更まで。
多岐にわたる相続実務を、事務職員目線で注意すべきポイントを中心にまとめました。
弁護士の急な指示にも対応できる参考書式も盛りだくさん。
事務職員の皆さんの実務に役立つ一冊です。
2018年1月発行
頒価1,000円(税込・送料別)
ご購入申込み及び詳細は以下の「法律事務」のページをご参照ください。
https://houzenren.com/houritujimu.html
■応用研修テキスト
応用1 訴訟以外の民事手続,裁判外手続
応用2 不動産競売,その他の民事執行
応用3 自己破産手続,個人再生手続
応用4 破産管財
応用5 成年後見
応用6 登記,供託,担保取消
応用7 民事訴訟の構造,弁護士倫理と事務職員倫理
実務に直結した普段の業務にも役立つ情報満載となっていてオススメです!
日弁連事務職員能力認定研修の【応用】研修のテキストとなっています。
発行者のご厚意でメルマガ読者割引をして頂いています!
【メルマガ読者限定割引チラシ】
https://houkairou-mail-magazine.com/chirashi/jalapsyosekizenkan_merumagayou.pdf
■シリーズ 法律事務所職員のための
「家事事件申立ての実務」」
「法律事務職員のための訴額・管轄事例集」
メルマガ読者限定!割引あり!
各1,600円+税→(割引)各1,500円(税込)
詳細と購入方法は以下URLからチラシをご確認ください(PDF文書)。
【メルマガ読者限定割引チラシ】
https://houkairou-mail-magazine.com/chirashi/jalapsyosekizenkan_merumagayou.pdf
■今日から弁護士秘書~事務職員新人独習テキスト
法律事務員さんの日常業務のキホンのキをコンパクトな分量で解説しています。書籍版は200円で販売していますが,PDF版はなんと!無料で配布しています。
法律事務所用語集では「J庁」「赤い本・青い本」「Z折り」など初心者には「なんのこっちゃ?」な用語が集められています。
https://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/publication/book/secretary.html
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【事務員あるある】
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仕事を聞かれたとき,法律事務所勤務とは言わず,単なる事務の仕事と答えがち
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【裁判手続きのIT化情報】
労働審判手続でWEB会議の運用開始
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本年(2020年)2月から,民事裁判手続きIT化のフェーズ1として,東京・大阪・名古屋・広島・福岡・仙台・札幌・高松の8地裁本庁と知財高裁にて,弁論準備手続期日等をWEB会議で実施する運用がなされています。
また,本年5月からは対象を,横浜・さいたま・千葉・京都・神戸の5地裁本庁に拡大しています。
昨今のコロナの影響で,期日が軒並み取消されてきたものの,徐々に再開されてきており,WEB会議も積極的に利用される方向にあるようです。
現行法でWEB会議が実施できるのは,弁論準備手続における期日(民事訴訟法第170条3項)・書面による手続における協議(同176条3項)・進行協議における期日(民事訴訟規則第96条1項)・事実上の打合せとされています。
そして今般,最高裁は,現在フェーズ1を運用開始している13庁において,WEB会議を利用することができる手続きとして,労働審判手続を加えることとしたそうです。
もともと労働審判についてはテレビ会議での実施を裁判所がPRしていましたので,これをWEB会議で実施することも法律上は可能なんだと思います。
弁論準備手続等は上記のように現行法の法的根拠が明確なのですが,労働審判についてはどうなのでしょうか?調べてみました。
労働審判手続きに関しては,労働審判法第29条で準用する非訟事件手続法に裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって非訟事件の手続の期日における手続(証拠調べを除く。)を行うことができる(非訟事件手続法第47条1項)としていますので,これが根拠規定かと思われます。
現在のところ,全国で13庁だけですので限られた運用ですが,今後,全国に拡がっていくかも知れませんね。
(編集長)
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【法会労って?】
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法会労(正式名称:法律会計特許一般労働組合)は,法律事務所など士業の事務所で働く事務員・秘書などでつくられている労働組合です。
法律事務所等で働く方であればどなたでも,ひとりでも入れる労組(ユニオン)です!
法会労の詳細はホームページをご覧ください。労働相談も随時受け付けております!
法会労ホームページ
http://www5a.biglobe.ne.jp/~houkairo/
オンライン相談申込フォームもあります↓
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法会労の紹介パンフレットはこちら↓
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組合員の女性が集う女性部のブログもあります↓
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【ご意見・ご感想・ご質問は…編集部へ!】
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このメールマガジンへのご質問などは,以下のいずれかの方法で編集長に直接届きます。
■届いたメールマガジンに「返信」する
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編集長のみが見て,お返事もしていますので,どうぞお気軽にご連絡ください!
今回の記事はいかがでしたか?
ご意見頂ければ幸いです!
メルマガに関すること以外の法会労についてなどもお気軽にお問い合わせ下さい!
ご連絡お待ちしています!
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【今週の雑学知識】
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民法は第1050条まであるかが,うち削除されている条数が74条ある
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【編集後記】
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いやはやたいへんなご時世ですね。
昨日ですけどね,一日で金融機関4箇所まわってすべての手続きを終えてしまいたかったんですが,えらい時間がかかってしまいました。
まず入口。最初の銀行では,門番がいてなかなか中に入らせてもらえません。
門番と言っても銀行のうら若き女性の職員さんですけど,フェイスシールドで顔面を防御しつつ,防御対象である来店客に一人ずつ用件を聞いています。おかげで長蛇の列。
事前に担当者に行く日を電話で予告していったのにね。窓口にたどり着くまでに一苦労です。
並んでいる最中でした。じいちゃんです。きっとATMの操作がわからなかったのでしょう。つかつかと門番さんにちょっと教えてと歩み寄りました。
途端に,ちょちょちょ!外でお話をお聞きします!と職員さん大騒ぎ。
我々はばい菌か。
次の信用金庫では,最近ではどこでも見かけるようになったアクリル板が設置されていました。
私「弁護士○○の事務所の者です。」
怪訝な顔をしているので,アクリル板に顔を近づけてもう一度。
私「弁護士○○の事務所の者です!」
窓口の人「おもごもごもご」
向こうもアクリル板に顔をくっつけんがほどに,いやもうくっついてる状況で何事か言っていますが,こちらも聞き取れません。
私「弁護士!○○の!事務所の!者です!」
窓口の人「もうもごもご」
けっこうな大声ですけど,通じたのかどうか分かりません。
私「口座の!!解約に!!来ました!!」
こうなれば超至近距離。アクリル板1枚数ミリ隔てて顔をくっつけあってます。
なんだこれ。アクリル板厚すぎるんだって。
私も苦労しましたけど,金融機関側もばい菌が来たりやたら顔を近づけてくるおっさんがいたりして大変なんでしょうね。
みなさまも何かと大変かと思います。どうか十分ご自愛ください!
本号も最後までお読みいただきありがとうございますm(_ _)m
(編集長)
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民事訴訟・刑事訴訟手続解説
裁判所等外回り小ネタ・情報
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